釣りを始めて半年以上が経ち、少しずつ釣り用語を覚えつつある今日この頃。言葉というのは、聞いてなんとなく意味がわかるようになり(そのレベルだと自分ではうまく使いこなせなかったりする)、しっかり身についてようやく自分で使えるようになってくるように思う。最近覚えた用語は「ランガン」。ランガンとはラン&ガンの略称で、釣りをしながら場所を移動して魚を探すスタイルをいうらしい。先日の「探索活動」はまさにランガンなわけだ。
この日はランタオ島の西南部の沿岸を「ランガン」。先日、大浪灣村に行ったときと同じ沙咀でバスを降り、分流まで海沿いのトレイルを南下、その後は大澳まで北上するという全長15キロほどのコース。朝8時過ぎの梅窩発のバスに乗り込み、石壁水塘を右手に見ながら沙咀で降りようとしたのだが、なぜかバスが沙咀の手前で左折し、坂を下った石壁監獄の入り口で降りる羽目になってしまうという幸先の悪いスタート。仕方なく、下ってきた道を沙咀のバス停まで登り返し、気を取り直して探索活動を開始する。
最初の釣りスポットは、狗嶺涌營地沿いの砂浜。小ぢんまりとした砂浜で居心地のよい場所だが、残念ながらやや根がかりリスクがある場所だった。しかも魚のあたりもほとんど感じられない。この付近はトレイル沿いにキャンプサイトをよく見かけるが、コロナの影響で公設のサイトは閉鎖している様子だった。それでもその近辺でテント泊をしている人達をたびたび見かける。
続いて向かったのが分流東灣。ここは砂浜も広くてサーフ釣りをしている人達が5~6人ほどいた。どうやらおもにキス釣りをしている様子。たしかに魚のあたりはあったものの、結局コトヒキが2匹釣れたのみ。うまいこと餌を盗られることが度々あった。ただしここのサーフはなんせ広いので攻め甲斐がある場所であることは間違いない。そしてこの場所のもうひとつのメリットは、近くに士多(商店)があって飲み物等を購入できること。今回利用はしなかったが、いざというときに心強い。きっとハイカーやキャンパーの利用がそこそこあるのだろう。
分流東灣がある半島の先端部分を横切るとすぐに分流西灣に出る。分流東灣とは対照的にこちらは浪がほとんど立っていない。沖のほうに網を張っているように見える場所もあり、釣り人も全くいなかったからひょっとすると釣りをしないほうがよい場所なのかもしれない。釣果はイシモチ1匹のみ(イシモチが釣れたのは初めてだった)。
今回のランガンの締めは煎魚灣。ここは昨年のクリスマスにも訪れているし、実は先週も日本に帰国する友人の香港釣り納めで来たばかり。過去2回、釣果があがらなかったことはないのでランガンの締めくくりを気持ちよく終えるのには絶好のスポットというわけだ。煎魚灣に到着すると、なぜか香港警察のいかつい警察官3名が大きなモーターボートで乗り付けてキャンプをし、釣りをしているという違和感のある光景が目に入ったが、構わずに投げてみる。魚のあたりはそれほどでもなかったのだが、30センチほどのマゴチを釣ることができた。前日に佐敦にある釣り具屋の店長に香港でヒラメやマゴチが釣れるのか聞いたときには、シーズンの夏でも香港でマゴチが釣れた話はあまり聞かないということだったので、マゴチとしては小さいサイズとはいえ今回のランガンでは嬉しい1匹となった。煎魚灣で釣れたのは、このマゴチとキス1匹。数は少なかったとはいえ、これまで釣った魚種の豊富さ、根がかりの少なさ、人の少なさ等の諸条件を考慮すると煎魚灣のサーフは一級スポットだということが確認できた。
あと一投で何度か粘ってしまい、ついつい想定以上に長居してしまったが、クリスマスのときの教訓を踏まえて、大澳への帰路を急ぐ。
なんとか18時過ぎの東涌行きのバスに乗り込むことができ、ランガンが無事終了。実際のところルアーをもっと色々試してみたかったのだが、まだどうしても釣り餌(アオイソメ)中心の釣りスタイルになってしまう。今回のランガンルートは以下のとおり。