香港碼頭日記

香港での生活を徒然なるままに、、、

期待に応えなくていい

高校2年生が、共通テストの受験会場となっていた東大前で受験生を含む3人に切りつけるという事件。人の抱えている悩みは本人にしか分からないものだから軽率なことは言えないが、恐らくこの少年は今まで周囲の期待に応え続ける生き方をしてきて、期待に応えることが絶対的な目的になってしまったのではないかという印象をもった。

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学生時代に人より勉強ができると、両親や周囲は「優秀だね」とか「頭がいいね」と褒めそやしがちだが、まあ試験でよい点数がとれることと頭がいいことはイコールではない。試験でよい点数はとれるが頭がよくない人間もいるし、頭がいいけど試験でよい点数をとることに大して意味を見出せない結果、試験の点数は悪い人間もいる。少しきつい言い方かもしれないが、この高校2年生は勉強はできるけど頭がいいとは言えないだろう。

周囲の期待に応えるのって、気持ちいいものだと思う。だけどこれは一種の麻薬のようなもので、期待に応え続けているといつしか自分のやりたいことを見失い、周囲が求める人生を生きるようになってしまうリスクがある。そして期待に応えられなくなると、自分の人生が破綻したと考えてしまいがちだ。ピュアであるからこそ、期待と現実のギャップが生じたときに柔軟な調整ができないのかもしれない。

そんなに周囲の期待に応えなくていいよ、と言いたい。期待に応えようが応えまいが、他人は自分の人生の責任をとってくれるわけではないのだから。