香港碼頭日記

香港での生活を徒然なるままに、、、

映画『來自雪國的遺書』(ラーゲリより愛を込めて)

金曜日の夜、堅尼地城のGolden Scene Cinemaで邦画『來自雪國的遺書』(ラーゲリより愛を込めて)を鑑賞。「ラーゲリ」というのはロシア語で収容所の意味で、シベリアに抑留され、戦後も長年にわたって過酷な強制労働を強いられた日本人捕虜と彼らの家族への愛を描いた作品。人間が武器を手にして互いに殺し合う戦争状態に置かれたときに、果たしてどれだけ人間性を保つことが出来るのだろうか…そんなことを考えさせられた。

來自雪國的遺書。主演は嵐の二宮さん。この悲しみと優しさが相混じった表情が、この映画のストーリーを物語っていると感じた。

こうした太平洋戦争で起きた悲劇を題材にした映画を観たときに、どこかでこれは過去の出来事であり、現代の日本は平和憲法のもとで生まれ変わったのだという意識があったことは否定できない。けれども、ロシアによるウクライナ侵攻に見られるように、世の中は(そして自分も含めて人間は)本質的に変わっていないと考えるべきだろう。自分は正気を保ち、人間性を失わずにいられるのだろうか…正直なところ、この年齢になってもその自信はないと言わざるを得ない。重いテーマだが、人間性の大切さを貫いた主人公を通じて心が洗われる思いがする、そんな映画だった。