香港碼頭日記

香港での生活を徒然なるままに、、、

『那個男人』: ある男

平日の夜、堅尼地城(Kennedy Town)の映画館で日本の映画が上映されていたので観に行ってきた。

平野啓一郎氏の小説「ある男」を映画化した『那個男人』。ストーリーが進行するにつれて徐々に謎が解き明かされていき、その過程で、自分とはなにか、親の呪縛(血縁の呪縛、最近の言葉では「親ガチャ」と言ってもよいだろうか)、人生のリセット(ある種の変身願望)、といったようなことを考えさせられる映画だった。そして最後に、なるほどと思わせる仕掛けもあり、よく出来た作品だという印象をもった。

『那個男人』(ある男)。出演している俳優陣も豪華だ。どうやら正式には明日(3月16日)からの上映のようだ。

油麻地のcinemathequeに比べると小ぢんまりとしているが、堅尼地城のGolden Cinemaも悪くない。なんといってもアパートから歩いて20分足らずなので、深夜に終わっても徒歩ですぐに帰宅できる。

蘆荻灣再訪

土曜日はのんびりと釣りを楽しんで、それはそれで良かったのだが、やはりボウズは嬉しくない。なので、本日は近所の釣り餌屋に立ち寄ってアオイソメを調達し、エギング&餌釣り(アオイソメ)で臨むことにした。

出来ればアオリイカを釣りたいと思い、釣り餌屋のおばさんに「イカを釣るのはどこがいい?」と尋ねたところ、「赤柱(Stanley)」とのこと。Google Mapを見せながら、なんとか赤柱の具体的なポイントを聞き出してみた。なるほどね。

実は香港で釣りを始めた約二年前に、最初に知人に連れて行ってもらったのが赤柱で、まだアオイソメでの餌釣りも知らない頃に何度か行ったことがあるポイントだった。その方はもう帰国してしまったが、彼が香港で初めて釣りをしたときに最初の一投でイカを釣り上げたのが、まさに赤柱のこのポイントだったそうだ。

ちなみに自分が最初に赤柱で釣りをしたときには、仕掛けもよく分からず、初心者セットで擬似餌のワームを投げては根がかりを繰り返していたのを覚えている。その時はたしか4人ほどのメンバーで行ったのだが、釣りに慣れている1人を含めて半日ほどやってみんなボウズだった記憶がある…。

うーん、赤柱に行こうか少し迷ったものの、先週友人がアオリイカを釣り上げた蘆荻灣を再訪することにした。マリンスポーツを楽しむ人たちで賑わっている赤柱よりも、ハイキングコースから少し外れた、ちょっと鄙びた雰囲気のある蘆荻灣のほうが自分の性に合っている。

中環のフェリーターミナルから南丫島の榕樹灣へ渡り、そこから徒歩で30分ほど行くと蘆荻灣だ(風力発電所を目指し、そのすぐ手前で右に折れるトレイルに入る)。天気はやや曇りがちだったが、休日だからかハイキングを楽しむ人たちがたくさん来ていた。

先週に引き続き、蘆荻灣にやってきた。先客の釣り人(2名)が碼頭の右側でエギングと餌釣りをしていた。

今日は、エギングとアオイソメの餌釣りの二刀流。先週、友人がアオリイカを釣った碼頭の左側を中心に攻めてみる。

蘆荻灣碼頭からこの方向へ遠投する。

遠投したところ、ほどよいサイズのカサゴがヒット!躍動感あふれる写真が撮れた。

エギングのほうはさっぱり反応なし。悪いクセだが、反応のないエギングを粘り強く続けることは出来ず、徐々に二刀流の比重は餌釣りのほうへ…。

またもや遠投で、今度は20cmほどのカワハギを釣ることが出来た。これは持ち帰って今晩の夕食にしよう。

先客の釣り人に本日の釣果を聞いてみたところ、イカはゼロ、小さなカワハギ1匹と小さな白黒の縞模様の魚が1匹だけとのことだった。どうやら短時間でカサゴとカワハギを釣ることが出来たのは幸運だったようだ。

少し場所を移動して、碼頭を望むことができる砂浜から投げてみる。少しあたりがあったが、根がかりリスクもあった。

一時期、とにかく釣った魚を捌いて食べることを目標にしていた時期があって、食べられそうな魚はひたすら持ち帰って調理していたが、最近は年始にキスの天ぷらを作ったくらい。なので、今日は久しぶりの獲物だ(そしてカワハギを調理するのは初!)。

それにしてもカワハギって不思議な形態の魚だ。鱗もなくて、触った感触もザラザラとしていて、他の魚が大抵ヌルヌルしているのとはえらい違い。海の生物の多様性にはつくづく驚かされる。

帰宅後、YouTube でカワハギの捌き方を確認。鱗が飛び散らないのでありがたい。今回はシンプルに塩焼きにすることにした。肝は湯通しして醤油で和え、塩焼きのアクセントにする。

さっぱりして臭みも全然なく、非常に美味しい!これは刺し身でも良かったかもしれない(実は食あたりが怖いので、今まではなるべく火を通していた)。塩焼きの写真だが、撮るのを忘れたまま半分ほど食べ進めてしまったので今回は割愛…。次回は刺し身も試してみようかな。

長閑な休日

前日に映画のレイトショーを観て、深夜にジャンクフードを食べるという行動をとった結果、土曜日は普段よりもスロースタート。昼過ぎから久しぶりにランタオ島の花坪へ釣行。エギングをしながら、活き蝦を餌にして大物を狙う二刀流でいくことにする。

草灣碼頭の横にある砂浜。いつもは、この近辺の家屋で放し飼いになっている犬二匹が吠えかかってきて煩いのだが、今日はお休みモードの様子。

天気がよく、まるで初夏のようだ。

碼頭の一部にこんなプレートが打ち付けられていた。Google Mapには名称表記がなかったので勝手に花坪と呼んでいたが、正式には「花坪(北)碼頭」のようだ。

16時過ぎまで二刀流で挑んだものの、まったくダメ。二兎を追う者は一兎をも得ず。

草灣碼頭から眺めた砂浜。夕日に照らされて美しい景色だ。

帰りのトレイルで、きれいなピンク色の花が咲いている木を見かけた。

調べてみたところ、蘇芯花(ソシンカ)のようだ。葉の形が羊のひづめのようなので羊蹄木ともいうらしい。

釣果はさっぱりだったが、少しハイキングを楽しみつつ、人が少ない自然豊かな場所で季節の変化を感じながら、釣り糸をのんびり垂れる…そんな長閑な休日も悪くはない。釣りにも色んなスタイルがあるが、こうした「ご隠居釣り」、実は結構気に入っている。

映画『鯨』、のち深夜飯

金曜の夜は油麻地に行く用事があったので、ついでにcinematheque まで足を伸ばして映画鑑賞。上映開始時間の21:50まで時間があったので、遅ればせながらbcinephile のメンバーシップに加入する。年間120香港ドルで、メンバーになるとフリー映画チケット(1回分)、平日チケットの割引、館内で販売されているポスターや軽食類の割引などの特典がある。

この日観た映画は『鯨』(The Whale)。父親と年頃の娘の絆を描いた作品という紹介文を読んで興味を持ったのだが、正直なところ共感することは出来なかった。現代のアメリカ社会が舞台なのだが、文化的な相違なのか、宗教(キリスト教)に対する理解不足なのか、文学的素養の無さなのか、理由はよくわからないのだが共感できなかった。時が経てば、この映画を理解することが出来るのだろうか…。いずれにしても、現時点での率直な感想は記録しておこう。

『鯨』。音声は英語で、中国語の字幕。

映画が終わると深夜0時近かったが、油麻地の飲食ストリートはまだ賑わっていた。

MTRに乗り込んで、無事に最寄り駅の香港大學に到着。夕食はすでに食べていたのだが、少々小腹が減ったので…

香港大學駅の近くにあるジャンクフード屋は深夜0時を過ぎても営業中。深夜飯を求める若者が並んでいた。

腸粉を手際よく作っている。ステンレス製の平べったい引き出しのような物を使って作っているとは知らなかった。

撈麵(魚蛋を追加して17香港ドル)。禁断の深夜飯。魚蛋のカレー風味スパイスが、ジャンクフード感を引き立てていて好味!

深夜1時に魚蛋入り撈麵をすする。レイトショーを観た後の深夜飯、たまらんね。

ランガン(荔枝莊~深笏灣)

日曜日は、朝から西貢の荔枝莊へ釣行。西貢は香港のなかでもアクセスしづらい場所なのだが、大學駅近くの馬料水碼頭からフェリーを活用すると便利なことを先日発見した。フェリーの便数が一日三便と少ないのが難点だが、朝一(馬料水碼頭8時半発)のフェリーに乗れば、荔枝莊周辺をじっくり開拓できるだろう。

ところが、出発予定時刻の10分ほど前に馬料水碼頭に到着してみると、なんとフェリーが出発したところだった。どうやら時間前に定員に達した模様…。次の出発時刻は12時半だし、どうしたものかと思案していたところ、おもむろに小型船が到着し、自分と同じようにフェリーに乗れなかった人達が当たり前のようにその小型船に乗船していた。これぞまさに助け舟!

フェリーに乗れなかったが、臨時?の小型船に救われた。

小型船は定期便のフェリーと同様に、まずは深涌灣に立ち寄り、その次に荔枝莊へ。恐らくその後も塔門のほうまで行って戻ってくるのだろう。荔枝莊で下船したのだが、他にも5~6名ほど釣り人が降りていた。本格的な雰囲気の人たちもいたので、どこで釣りをするのか興味津々だったが、どうやら皆さん碼頭で釣りをする様子。

荔枝莊にて。彼らはどうやらエギングと餌釣りをする様子。香港ではカップルで釣りを楽しんでいる人たちをよく見かける。

今日は、荔枝莊から深笏灣までの海岸沿いをランガンして、よい釣りスポットを開拓する予定だ。

Dragon Boat Rockの付近。独特の形状の岩場だ。

岩場は比較的平坦で歩きやすいのだが、岩に苔(海藻?)がこびりついている箇所が多いので滑らないように注意が必要。

根がかりとの戦いだったが、なんとかクロサギを釣ることができた。

Google MapではRemnant of Pearl Culture(史跡)とあるが、埠頭跡か何かだろうか。

深笏灣。水の色が深緑色に変わっているあたりまで投げてみたところ、小さいサイズだったがキスが4匹ほど釣れた。

キス。深笏灣ではそのほかにも少し大き目の魚が跳ねたり、悠然と泳いでいるところを目撃することが出来た。本日のランガンではもっともポテンシャルがありそうなポイントだった。

さて、少し時間は早いが深笏灣から深涌灣までは内陸を通り抜けてみることにした。Google Mapでは何のルートも記されていないが、アウトドア用の地図によると抜けられるはず。

なんとなく道らしきものがあることはある。

時おり、こうしたペットボトルの目印だったり、

リボンが結んであったりするので、道に迷っていないことが確認できる。

なんとか通り抜けることが出来た!出てきた場所を振り返るとこんな感じ。逆ルートをたどるのは厳しそうだな…。

深涌灣碼頭。14時半とまだ時間は早いが、今日は朝から十分歩いたので馬料水碼頭に戻ることにしよう。

もっぱら餌釣り(アオイソメ)だったが、一番よかったのは深笏灣。小型だったが、1時間ほどでキスが4匹釣れたし、なんせ人がほとんどいない場所なのでのんびりできる。もう少しエギングやルアー釣りも試す価値があるかもしれない。

蘆荻灣碼頭

南丫島の蘆荻灣碼頭を初訪問。少し前に蘆荻灣碼頭でアオリイカを釣り上げていたという情報を目にしていたので、今回は釣り仲間の友人と二人で行ってみることにした。これまで友人を案内するときは、自分が何度か行ったことのある場所に限っていたのだが、残念ながら必ずしもいい結果が出ていない。そもそもこのところ自分の釣果がさっぱりなのだから、目先を変えて新しい場所を試してみるほうが意外とよいかもしれない。

蘆荻灣碼頭。意外にもまるで観光地かのような立派でカラフルな石碑があった。

そんな開き直りで初めて訪れた蘆荻灣碼頭。ほんとにアオリイカが釣れるか、正直半信半疑だったのだが…

友人が見事にエギングでアオリイカを釣りあげた!彼にとっては初アオリイカだ。

この日は午後のフェリーでのんびり釣行だったのだが、着いて1時間経たないうちに目標のアオリイカをゲット!正直、自分のこと以上に嬉しい。

勲章のイカ墨跡。友人とはかれこれ一年ほど一緒に釣りに行っているのだが、本当によかった。

自分の釣果は、カサゴ1匹、ベラ1匹、フグ4匹(碼頭の足元でフグが入れ食い状態だった)と相変わらず冴えなかったが、友人が三度目のおかっぱりエギングで、見事にアオリイカを釣り上げたので上出来といえるだろう。

蘆荻灣碼頭の全貌。場所によっては根がかりが多いので注意が必要だが、根がかりポイントを注意すれば釣りはしやすい場所だと思う。

自分もそろそろ気合を入れておかっぱりエギングで釣果を出さねば…。

『流水落花』

流水落花:「男女の一方に相手を思う気持ちがあれば、相手にも同じ気持ちが生まれ、したいあう気持ちが通じるものであるということをたとえていう」 

映画の英語タイトルはLost Love 。漢字熟語での意味と相反してるようにも思うが、映画を見ると、決して不自然ではないことがわかる。

男女間の愛というよりも親子間の愛を、親の気持ちを中心に描いた作品だ。

流水落花。親子間の愛情のありかたって本当に難しい。そんなことを考えさせられる作品。

恥ずかしながら、里親制度(フォスターパレント)と養子縁組の違いすら曖昧だった。この映画では幼い実子を失った夫婦が、里親として子供たちを育てていくのだが、果たして母親は子供たちを育てることを通じて何を得ようとしていたのだろうか。いや、実のところ自分は子育てを通じて何を得たいと思っているのだろうか。そういうことってほとんど考えないまま、淡々と人生が過ぎていくような気がする。

子供を育てるというのは、本当に難しい。いまだに「もっとこうしておけば良かったのではないだろうか」という考えが頭を過ぎることがあるのだが、これは親のエゴなのだろう。すごく不思議なことに、自分の親に対してはいわゆる同じ血が流れているという意識を持ったことはなかったのだが、子供に対してはその良い面も悪い面も「自分と同じ血が流れている」と感じてしまう。

油麻地のcinamathequeの風景。この場所、なぜか居心地よく感じるので気に入っている。