香港碼頭日記

香港での生活を徒然なるままに、、、

映画『怪物』

平日の夜、久しぶりに油麻地のcinemathequeで映画を観る。是枝監督の『怪物』。カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞したこともあってか、上映数も多く、cinemathequeでも積極的に宣伝しているようだった。

『怪物』。宣伝VTRでの「怪物だーれだ?」という子供の声が印象的だ。

起きた出来事を、親の目線、教師の目線、子供の目線といった具合にいろいろな角度から捉えており、どの目線で見るかによって(同じ出来事が)こうも違って見えるのかということを鮮やかに描いている。それ(見え方、解釈の違い)は、どんな些細な出来事でも常に生じうることなんだろうと思う。評判になっているだけあって、心に残る面白い映画だった。

マスメディアやネットを発達にともなって、関係当事者ではないまったくの外野が出来事(事件)に対して、(正義感なのか、善意なのか、野次馬根性なのかはともかくとして)意見することによって、それがあたかも増幅装置として機能してしまうのが現代社会だと思うのだが、外野である以上は一定の謙虚さをもって発言するべきなのだろうなと、ふと感じた。