香港碼頭日記

香港での生活を徒然なるままに、、、

『スキップとローファー』

家人に勧められてアマプラで『スキップとローファー』を観た。カテゴリーとしては、恋愛ものというジャンルに入るのだろうか。でも主人公の美津未はいわゆる少女漫画のヒロインっぽさはなくて、どちらかというと『それでも町は廻っている』の歩鳥をちょっと彷彿とさせるようなユニークキャラ。そんな美津未の高校生活を、本人や友人たちの心理描写を巧みに織り交ぜながら、思わずクスっと笑わせてくれる要素も入りつつ、描いて見せてくれている。全体のトーンとしては、ほのぼのとした青春ラブコメ(でもラブの要素は少なめかな)なのだけれど、登場人物の心理描写がなんとも心に刺さる。アマプラで観て面白かったので、漫画を大人買い

スキップとローファー(1) (アフタヌーンコミックス)

高校を卒業して30年以上経っても、登場人物の高校生に感情移入できるものなんだということが分かって、少し驚いている。そして折にふれて自分の高校時代を思い出したりもするのだが、まあ何とも浅く不毛な高校生活を送っていたなと反省したりもする。それは後悔というのとも少し違っていて、安易に自分の承認欲求を満たしてくれる方向に努力のベクトルを傾け過ぎたかもなという反省なのだけれど。

高校生の自分がリアルタイムで『スキップとローファー』を読んでいたら、どうだろうか。読ませてみたいなと思わせるような作品だと感じた。

作者の高松美咲さんは他にどんな漫画を描いているのか興味がわいたので、『カナリアたちの舟』と『アメコヒメ』も読了。両作品とも哲学的なSFといった感じの作風で、『スキップとローファー』の雰囲気とは全く違うので少し驚いた。違うのだけれど、作者はきっと人間・人生といった深いテーマを根底に持っていて、だからこそ『スキップとローファー』のちょっとした心理描写が心に刺さったりするのだと思う。次の展開が楽しみだ。