土曜日、天気がいまひとつだったので釣りには行かず、午前中に油麻地のcinemathequeで映画を観ることにした。週末でも午前中だとチケット代が割引になる。
今回観た映画は『月光之下』(邦題は「月」)。主演は宮沢りえさん。デビュー当初の彼女はアイドルっぽい印象しかなかったけれど、今はちょっと陰があって深みのある役が似合ういい俳優だなあと思う。
相模原障碍者施設殺傷事件をもとにした辺見庸氏の小説「月」を映画化した作品。非常に重いテーマだ。主人公自身が重い障碍をもって生まれた子を亡くした経験をもっており、そうしたなかで、施設内での職員による障碍者に対する虐待、そして事件を引き起こした職員とのやり取りを通じて生まれる主人公の心の葛藤を描いている。
虐待などもってのほかだし、障碍者はヒトではないなんてとんでもない考え方だと思う。けれども、自分が実際に介護する立場になったときに果たして優しい気持ちでずっと接することが出来るのだろうか?正直、自分には難しいと思った。では、社会としてどうあるべきなんだろうか?もしくは、年齢とともに自分が衰えていくと、もっと他人に対して思いやりをもって優しく接することが出来るようになるのだろうか?
そんなことを考えさせられる映画だった。