香港碼頭日記

香港での生活を徒然なるままに、、、

『流水落花』

流水落花:「男女の一方に相手を思う気持ちがあれば、相手にも同じ気持ちが生まれ、したいあう気持ちが通じるものであるということをたとえていう」 

映画の英語タイトルはLost Love 。漢字熟語での意味と相反してるようにも思うが、映画を見ると、決して不自然ではないことがわかる。

男女間の愛というよりも親子間の愛を、親の気持ちを中心に描いた作品だ。

流水落花。親子間の愛情のありかたって本当に難しい。そんなことを考えさせられる作品。

恥ずかしながら、里親制度(フォスターパレント)と養子縁組の違いすら曖昧だった。この映画では幼い実子を失った夫婦が、里親として子供たちを育てていくのだが、果たして母親は子供たちを育てることを通じて何を得ようとしていたのだろうか。いや、実のところ自分は子育てを通じて何を得たいと思っているのだろうか。そういうことってほとんど考えないまま、淡々と人生が過ぎていくような気がする。

子供を育てるというのは、本当に難しい。いまだに「もっとこうしておけば良かったのではないだろうか」という考えが頭を過ぎることがあるのだが、これは親のエゴなのだろう。すごく不思議なことに、自分の親に対してはいわゆる同じ血が流れているという意識を持ったことはなかったのだが、子供に対してはその良い面も悪い面も「自分と同じ血が流れている」と感じてしまう。

油麻地のcinamathequeの風景。この場所、なぜか居心地よく感じるので気に入っている。