香港碼頭日記

香港での生活を徒然なるままに、、、

搭枱(daap toi)

マスクの着用義務は依然として続いているものの、香港でもようやくコロナに関連した様々な規制が緩和されつつある。レストランに入店する際も、少し前までは体温チェックとワクチン接種証明の提示が欠かせなかったが、最近は完全にフリーパスで入れるようになった。

基本的に規制緩和はありがたいことなのだが、先日レストランで食事をした際に、「あー、これはコロナ前に戻ってしまって少し残念かも…」と感じる場面があった。それは香港の相席カルチャー。ちょっと前までは、相席になる場合でも必ずアクリル板のようなもので仕切ってくれるところが多かったのだが、規制緩和とともに仕切りはなくなり、二人席に見知らぬおじさんと仲良く向かい合って食事をすることとなったのだった。ちなみに、この相席、広東語だと搭枱(daap toi)というらしい。香港人の知人に聞いたら、香港人でも苦手という人はいるらしく、搭枱だったらやめておく場合もあるのだとか。

多少の相席ならば、まあ許容できるのだが、香港の場合は(店にもよるだろうが)結構容赦ない。香港に来たばかりの頃、日本食の店にひとりで入店したら、普通に若いカップルと相席になり、なんとなく申し訳ない気持ちで、そそくさと食事を済ませた記憶がある(ちなみにカップルは目の前におじさんが座っていることを殆ど意に介さない様子であり、文化の違いを感じたものだ)。

熱々の魚香茄子。実はこの先では見知らぬおじさんがひとり鍋をつついているという状況。

まあ実際のところ、むしろ言葉の壁もあるせいかそれほどは気にならないし、ひとつメリットをあげるとすれば、相席になったひとの注文した料理が、新たなメニュー開拓へのヒントになる可能性もあるということかな。