香港碼頭日記

香港での生活を徒然なるままに、、、

映画『無邪之境』(邦題「悪は存在しない」)

平日の夜、久しぶりに油麻地のcinemathequeに映画を観に行くことにした。濱口竜介監督の『無邪之境(Evil Does Not Exist)』(邦題『悪は存在しない』)だ。濱口竜介監督の名前は耳にしたことはあったのだけれど、映画の前評判などは全く調べずに思い付きで当日夕方にチケットを購入。

久しぶりのcinematheque。平日夜にゆっくり映画を観る贅沢。

『無邪之境』。前評判などを気にせずに、なるべく先入観のない状態で観てみる。

とてもよかった。映像をつうじて、自然に包まれたときの静謐感と緊張感を感じながら淡々と、でも、えもいわれぬ不安、というか危うさをどことなく孕んだ雰囲気のまま物語が進んで行く。大美賀均氏の朴訥とした感じも印象深かった。これは映画館で観るべき映画だなと感じた。こんなふうに自分で書いていてつくづく思うのだが、よい映画を観たときに、そのよさを文章で記すのはとても苦手だ。

この映画、日本では今年の4月公開予定らしく、香港のほうが先に公開されていることを知った。なんだか得した気分。2023年のヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(審査員賞)を受賞していることも後から知った。