香港碼頭日記

香港での生活を徒然なるままに、、、

鹿洲村(Luk Chau Tsuen)

天気は微妙だったが、まだまだ南丫島の釣りスポットを開拓しきれていないことに気づき、この日は中環のフェリー乗り場から榕樹灣に向かう。ハイキングや海水浴に向かう人達でフェリーは大いに混み合っていた。

目指す釣りスポットは洪聖爺泳灘(Hun Shing Yeh Beach)。YouTubeを眺めていたら、ここでキス釣りをしている動画がいくつかあがっていて、なかなか良さそうな釣り場に思えたからだ。ところが現地に到着してみると、この時期は海水浴客がビーチにいるため釣りは禁止となっていた。なので、岩場を伝って海水浴場の外側まで出たところで投げてみることにした。

洪聖爺灣の右側。ここから更に右奥の岩場を伝っていった場所で投げてみたのだが、この日は結構波があり、なかなかやりづらい環境だった。

思いのほか波が高く、しかも投げるたびにすぐに根がかってしまうため早々に見切りをつけて退散。この場所は海水浴シーズンが終わった後にサーフ釣りをするのがよいのかもしれない。ちなみに洪聖爺灣の左側も見てみたが、海水浴場のロープの外側には漂流していたゴミが溜まっていてあまり綺麗な感じではなかったので諦めた。

ここからの選択肢としては、①来た道を引き返し先週行った北角咀まで北上する、②南下して索罟灣を経由して模達灣まで行く、③新たな釣りスポットを求めて島を横断して鹿洲村へ向かう、といったあたり。①と②は新鮮味はまったくないので、ここは思い切ってリスクをとって③を選択した。

鹿洲村。ハイキングや海水浴を楽しむ人達が通るルートからは外れているせいか、観光客はまず見かけなかった。

鹿洲村にある碼頭。奥に見えるのがCyberportの高層マンション群。

洪聖爺灣とは打って変わって、こちら側は波もなく根がかりリスクも少ない釣り向きの環境だった。魚も豊富にいるようで、あたりは結構あるのだが、なかなかのってくれない…。しつこく餌を食っているのは感じとることが出来るのだが、結局三時間ほどでキス一匹、ベラ一匹、小さなタイ(タイの一種の幼魚と思われる)三匹という釣果だった。恐らくだが、このタイの幼魚がたくさんいて、使用しているチヌ4号針には小さすぎるためなかなかのらなかったのかもしれない。

最初は小雨がぱらつくような天候だったが、夕方には晴れ間も出てきた。真ん中より少し左側に見えるのが鹿洲。

榕樹灣から徒歩45分ほど。人も少なく、落ち着いてゆっくり釣り糸を垂らすには悪くない場所だった。しかしこの時期の香港は蒸し暑いので、釣りをしていてもかなり体力を消耗する。日陰のないサーフ釣りとかは厳しいかもしれない…。

北角咀(Pak Kok Tsui)

GWを利用して日本に一時帰国していたため、ブログの更新もすっかりご無沙汰してしまった。コロナ禍になって初めての日本だったので、少し不安(コロナ時代における同調圧力下のお作法的なものに対して…)だったが、結果的にはそれほど気にする必要はなかったという印象をもった。友人の話によると、数か月前と比べるとだいぶ人々の意識も緩くなってきたとのことだったが、それでもボトムアップの感染対策は香港にはない丁寧さを感じるものだった。

日本で何をしていたかというと、まあ久しぶりに家族や友人に会ったり、お世話になっている人に挨拶したり、仕事したりという日々を過ごしていた。そうしたなかで、実は日本でも休日を利用して近所の河川や海に釣りに出かけていたのだが、ことごとくボウズ…。夕まずめの河川ではそこそこのサイズの魚が水面から跳ねる姿を何度も目撃したので興奮したのだが、何回投げても魚のあたりすら感じることが出来なかった。日本に行ったら結構大物が釣れるのではないかと勝手に思い込んでいたのだが、それは幻想に過ぎなかったことを実感させられたわけだ…。

PCR検査やらホテル隔離やらを経てようやく香港での日常生活に復帰。PCR検査のコストの高さ、ホテル隔離中のWiFiの遅さと食事の不味さには閉口したが、特に大きなトラブルもなく、とりあえず一安心。隔離ホテルについて周囲の知人にヒアリングしたところ、自分が泊まったホテルはかなり安宿に分類されるらしく、食事が不味いのは仕方ないようだった…。ちなみに部屋からの景色は、高層階から全面オーシャンビューが望めるという環境だったので値段の割には恵まれていたのかもしれない。

そして念願の隔離明け、最初の日曜日。まずは朝から飲茶でがっつり腹を満たした後、たまっていたUtility Billやクレジットカードの支払い手続きを一気に済ませてしまい、釣りへと繰り出す。日本のかたきは香港で討つ、ってヤツね。ここでボウズという訳にもいかないし、かといっていきなりランタオ島のアクセス困難なサーフまで行くほどのエネルギーもなかったので、最近開拓した南丫島の北角咀に行くことにした。

香港仔から小型フェリーで北角村碼頭に向かうルートを選択。フェリーの便数は少ないが、香港仔では釣り餌が調達できるし、手軽に昼食もとれるので行きは香港仔経由のことが多い。

香港仔のフェリー乗り場から撮った一枚。隔離明けの太陽は眩しい!

ここが北角咀の釣りスポット。香港仔発のフェリーより撮影した一枚。少し奥まって灣状になっている部分があり、流れがぶつかり合っている付近を狙う。

昼過ぎの到着となってしまったが、先客はおらず気兼ねなく釣りを楽しめる状況。幸先よく一投目からいきなりヒットし、まずはメゴチを釣ることができた。でも一投目で釣れるときというのは、実はその後続かないことが多くて、この日も魚のあたりは頻繁にあるが、なかなかのらないというもどかしい時間が続く。ようやくキス、そしてベラが釣れたものの、3時間ほど粘って釣果三匹というのは、ちょっと残念だった。でもまあ隔離明け直後のリハビリとしては悪くはないか…。

夕方、帰宅後に大家さんに日本のお土産を渡す。そしたらお返しに日本直送の高級メロンを頂いてしまった。隔離ホテルから出た途端に一玉5000円は下らない高級メロンとは!釣果はいまひとつだったが、最後に思いがけない幸運が転がりこんできた一日だった。

哥連臣角砲台遺址(Cape Collinson Battery)

香港は最高気温が30度超えるようになり、そろそろ夏かと思いきや、この日は少し涼しくなったので過ごしやすい。天気は曇りだったので、朝から気合をいれて釣りに行く気分ではなかったものの、やっぱり少し釣りをしたいという気持ちになり、昼前から香港島の東側へ向かう。

今回の釣行は、MTRの柴灣から30分ほど歩いた場所にある哥連臣角砲台遺址(Cape Collinson Battery)。この近くの黑角頭燈塔には何度か釣りに来たことがあるが、ここは初めてだ。Googleマップで新規釣りスポットを物色していたときに、釣り人が写っていたので実は以前から少し気になっていた。

f:id:hakurakuhk:20220417181013j:plain

砲台遺址へアクセスするには、この柵を乗り越える必要あり。一応リボンが目印だが、なんともわかりづらい…。

f:id:hakurakuhk:20220417181150j:plain

都心からすぐの場所にあるためか、砲台遺址はずいぶんと賑わっていた。砲台遺址のうえに登って海をバックに記念写真というのがお決まりらしく、帰り際には写真撮影の列まで出来ていた。

ここが本日の釣りスポット。一人、先客が釣り糸を垂らしていた。あいにくの強い風と波でコンディションはあまりよくない…。

f:id:hakurakuhk:20220418002018j:plain

砲台遺址から左手の方向に少し進んだ場所が本日の釣りスポット。雰囲気は悪くない。

何度か投げてみたものの、あたりもなく根がかりリスクもある。加えて強い風と波という状況だったので早々に見切りをつけることにした。残念だけれど…。

f:id:hakurakuhk:20220418002656j:plain

断崖ではロッククライミングを楽しんでいる人達がいた。

新規開拓はあえなく失敗に終わった。帰りに黑角頭燈塔に寄り道して、少し投げてみたものの全くダメ。うまくいかないときは、まあこんなもの。早めに帰宅して、スコーンを焼いてアフタヌーンティーを独り楽しむ。打亀でも充実の週末…かな。

釋迦頭(バンレイシ)

香港に来てからあまり果物を食べてこなかった。食べてもバナナ、リンゴ、オレンジとか日本でもよく見かける果物をたまに食べるくらい。でも以前釣りをしているときに、釣ったキスをその場で一緒に釣りをしていた老夫婦に差しあげたところ、御礼にザボンのような柑橘類を頂いた。これがおいしくて、よく考えたら香港にいるのだから南国ならではの果物を食べない手はないよな、と今更ながら気づいた。

それ以来、帰宅途中に果物屋(香港には果物屋が結構ある)を覗いてみて、気が向いたときに南国っぽい果物を買ってみたりしている。

そして先日買ったのが釋迦頭(バンレイシ)という果物。果物屋の札を見る限りだとどうやら台湾産のものらしい。名前のとおり表皮がデコボコしていてお釈迦様の頭のような形をしている。二つで50香港ドルと安くはないけど、一個でもずっしり重くてボリュームはそこそこある。

f:id:hakurakuhk:20220411232045j:plain

これが釋迦頭。ソフトボール大の大きさでずっしり重い。日本で見慣れない果物のため、これまでまったく気にも留めていなかった。

マンゴーとかがそうであるように南国フルーツ特有の甘さがあって、少しねっとり感のある真っ白な果肉。他の果物に例えると、甘さの強いラフランスみたいな味かな。甘いけれども一個くらいなら一人で食べても全然くどさは感じない。この大きさ、十分食べ応えがあるのでがっつりデザートを食べたいときによい。

f:id:hakurakuhk:20220411232946j:plain

縦に4つに切ってスプーンで掬って食べた。真っ白な果肉と立派な黒い種のコントラストが印象的だ。

これはなかなか美味しい。傷みやすそうなのでその点は注意しないといけないが、また食べたくなる果物だ。

赤徑碼頭(Chek Keng)

土曜日は終日晴天の天気予報だったので、久しぶりに早起きして釣行へ。これまでアクセスの悪さからついつい足が遠のいていたが、香港で釣りをするのであれば外せないスポットである西貢(Sai Kung)を攻めてみることにした。

MTRで彩虹(Choi Hung)まで出て、そこから1番のミニバスで西貢に。西貢の釣り餌屋でアオイソメを調達したあと、さらに7番のミニバス(海下 Hoi Ha 行き)で北潭凹(Pak Tam Au)へ向かう。

f:id:hakurakuhk:20220410224837j:plain

西貢にある釣り餌屋さん。Googleマップに記載されている場所から少しずれていたので最初は見つからずに焦ったが、近くの店のおばさんに聞いたらすぐに教えてくれた。多謝!

北潭凹で降りるつもりが、ついつい乗り過ごしてしまい、その後も海下まで行こうか迷っているうちに結局白沙澳という何とも中途半端な場所で降りる結果に。初めての場所にほぼノープランで来ると優柔不断さが如実に出てしまい、いつもこんな感じ…。

白沙澳で降りたあとも迷走ぶりをいかんなく発揮し、結局釣りをすることなく徒歩で黄石碼頭(Wong Shek)まで来てしまった。このあたりでそろそろ釣り糸を垂らすかと考えていたところ、あと5分で灣仔に行くという小型フェリーがあり、そこのお兄さんに灣仔は釣りスポットかどうか聞いてみると「釣り人もよく見かけるよ」とのこと。思い切って、小型フェリーで灣仔に向かってみた。ちなみに灣仔といっても香港島にある繁華街の灣仔ではなく、海下の東に位置する灣仔ね。

f:id:hakurakuhk:20220410230403j:plain

黄石碼頭はなかなか大きな碼頭だ。写真は右半分のみしか写っていないが、左側にもフェリーが乗り付けており乗客も多い。

小型フェリーのお兄さんの言葉だけを頼りにたどりついた灣仔は、整備されたキャンプサイトになっていてちょっとした公園みたいだった。もっと自然味溢れる場所を想像していたのだけど。たしかにカップルが釣りを楽しんでいて、魚が釣れなくはない感じではあったが、個人的にはもう少し秘境感が欲しかったので、海岸沿いを少し北東に進んだ南風角まで行って投げてみた。でも岩が多くて根がかりばかりで釣りにならない。その後、灣仔の船着き場まで戻ってきてカップルと並んでしばらく釣り糸を垂れていると、どうやら1時間毎に小型フェリーが黄石碼頭→灣仔→赤径碼頭を巡回していることに気づいた。

f:id:hakurakuhk:20220410232727j:plain

灣仔にはキャンプサイトがあり、ちょっとした公園のよう。キャンパーやハイカーで結構賑わっていた。

こうなったらフェリーを駆使して赤徑碼頭を攻略してやろうと思い、昼過ぎのフェリーで赤徑碼頭へ。

f:id:hakurakuhk:20220410233417j:plain

小型フェリーが巡回している今回訪れた西貢の灣内はこんな感じ。天気に恵まれ、穏やかな水面で釣りをするのはなんとも気持ちがいい。あとは魚が釣れるかどうかだね…。

赤徑碼頭に着くと、本格的な格好をしたおじさん3人が釣りをしていた。これは期待できるかもと思ったが、全然ダメ。少しあたりはあったが、うまく餌を盗られることが多かった。どうもおじさん3人も釣れている気配は一向にない。

f:id:hakurakuhk:20220410234556j:plain

小型フェリー乗り場になっているほうの赤徑碼頭。1時間おきに来るフェリーはハイカーが結構利用していた。

やっぱり初めての場所はなかなかうまくいかないもの。帰り際に良さそうな場所があったら試しに投げてみるかと思い、徒歩で北潭凹に向かうことにした。少し歩いてみて気が付いたのだが、実は赤径碼頭は2つあって巡回フェリーが乗り付けてない小さい赤径碼頭のほうから試しに投げてみることにした。

f:id:hakurakuhk:20220410235217j:plain

小さいほうの赤径碼頭。このシンプルな碼頭、トレイル沿いに見かけることが多くてなかなか風情がある。

実は、ここが本日のベストポイントだったことがすぐに判明。根がかりリスクはそれほどなく(若干底はゴロゴロした感触だが)、魚のあたりもそこそこある。短時間だったが、良型のキスを釣ることができた。なんとか最後に打亀を回避することが出来てよかった。

f:id:hakurakuhk:20220411000042p:plain

本日の釣りスポット。我ながら無計画に迷走したことがよくわかる。ここまで辿りつくのが一苦労だし、帰りの道のりも長いのが難点ではあるが、気分が乗ったらまた色々と試してみたいエリアではある。

西貢への遠征は、帰りも大変(西貢から彩虹行きのバスが大行列)なのだが、たまに来るのは楽しいかもしれない。小型フェリーが活用できることもわかったし。でもさすがにこの日は疲れてしまい、翌日は頭痛で昼過ぎまでまともに動けなかった…。

排(pai)

日曜日は天気が良かったので鴨脷排へ。先日、咀や洲の意味を調べて鴨脷洲(Ap Lei Chau)は島ということでよく分かるのだけど、では鴨脷排の排は?と思って調べてみた。どうやら排には並ぶという意味があるようで、たしかに鴨脷排は鴨脷洲と並んでいるのでしっくりくる。例えば排隊という言葉もあって、「請排隊」でまさに「並んで下さい」ということ。

f:id:hakurakuhk:20220403221720p:plain
鴨脷洲と鴨脷排の位置関係。鴨脷洲に並んでいるということで鴨脷"排"ということかな。

鴨脷排の先端にある灯台の横に鴨脷排燈塔碼頭という碼頭があって、ここが今日の釣りスポット。

f:id:hakurakuhk:20220403222522j:plain
この碼頭、手すりが折れ曲がって倒れていた。一体何があったのだろうか…

鴨脷排燈塔碼頭の状況を見る限り、使われてないのかと思いきや30分に一回くらいの頻度でサンパンが立ち寄り、灯台までハイキングを楽しんだ人達を乗せて鴨脷洲のほうに戻っていく。一人15香港ドル。たしかに行きと同じルートを戻るよりもずっと良さそうだ。ただ、自分の場合は碼頭だけではなく、鴨脷排の東側や西側の釣りスポットも攻めてみたかったので今回はサンパンは使わなかった。

f:id:hakurakuhk:20220403223706j:plain
これが鴨脷洲に戻るサンパン。時刻表があるわけではないが大体30分おきくらいに立ち寄って乗客を拾っていく。客がいないときは操縦しているおばちゃんが拡声器で「船が出るよ~」とアナウンスするシステム。

結局、釣果はカサゴ2匹とカサゴとメゴチをミックスしたような根魚1匹の計3匹と大したことはなかったのだが、天気が良くて海もきれいだったので十分楽しめた。気のせいかもしれないが、潮の流れとかを見ながらなんとなく魚がいそうだな、と思うスポットではたしかに手ごたえがあることが多く、少しは成長できたかもと思える一日だった。

f:id:hakurakuhk:20220403225813j:plain
鴨脷排からみた玉桂山。たしかに帰りにまた玉桂山を登るのはなかなか堪えるんだよな…。

咀(Tsui)や洲(Chau)など

釣行すると地名に咀(Tsui)や洲(Chau)がつくことが多いので気になって調べてみた。どうやら咀は嘴(くちばし)、洲は島を意味するようだ。咀は嘴の形をした地形ということでしっくりくる。島に関しては、香港島や南丫島のように少し大きな島になると「島」を使っていて、小ぶりの島は洲(Chau)。その境界線は、蒲台島(正確には群島)くらいのサイズなのかな。でも西貢のほうにある滘西洲(Kau Sai Chau)は明らかに蒲台島より大きいのに洲なので、隣接する陸地との距離も関係しているみたい。

f:id:hakurakuhk:20220402014148p:plain
咀(Tsui)。上側には北角咀、左側には石角咀。たしかに嘴のような形をしている。

尖沙咀、北角咀、坪洲、鴨脷洲、等々…。そういえば角(Kok)がつく地名も見かけるなと思って調べてみると、どうやら角は岬の意味らしい。角の形をしているから、というのもあるのかな。じゃあ旺角は?となる訳だが、昔は海沿いにあったらしい。それから、鹹田(Ham Tin)あたりもよく見る地名だが、これはそのまま鹹=塩なので、昔は塩田があったと考えればよさそう。